抄録
2008年3月、ワシントンのアメリカ議会図書館で外邦図の調査をおこなったところ、1880年代に中国大陸・朝鮮半島・台湾で、日本軍将校がおこなった簡易測量にによる手書き原図を発見した。まだ調査は完了していないが、彼らの調査旅行と測量、手書き原図を集成した地図作製、さらにその利用について一定の成果がえられたので報告する。この測量と地図作製は、日清戦争以後の臨時測図部による外邦図作製の前段階と位置付けられるが、記録がすくなく、手書き原図のさらなる調査は、その全貌の解明に大きな意義をもつと予想される。