大型植物遺体を試料とする研究にあたっては,再検討のために標本を保存しなくてはならない。保存した標本の蓄積により新たな研究の展開が生まれる。大型植物遺体の研究は遺体群の記載から始まることが多いので,標本番号は,まず大型植物遺体群に打たれ,分類群番号や個体番号は必要に応じて枝番として打たれる。アルコール液浸でピンに保存すると,試料そのものには番号が打てず混乱する可能性があるので,プレパラートに封入する手法もあるが,標本を取り出すことが難しく,一長一短である。充実した比較参照標本も同定のために不可欠である。証拠標本は,他の研究者が検討できるように情報を公開すると共に,適切な場所で保管する必要がある。