2022 年 27 巻 2 号 p. 257-
タイワンハマサジは、日本国内において沖縄県八重山諸島の仲ノ神島にしか生育していない絶滅危惧種である。その保全に資する情報提供のため、 2017年から 2021年までの 5年間の写真記録をもとに、島内での詳細な分布や開花期間等の生育状況を取りまとめた。タイワンハマサジは、東側の北海岸に複数の集団を形成しており、また南海岸や島の中央部にも分布していた。特に、海岸付近の砂礫堆積地では比較的高い密度で生育し、岩棚等の岩上及び土壌が形成された急傾斜地で疎らであった。また、 2月頃から花茎が出現し、開花期間は 3月から 7月までの 5ヶ月間と長期間であるが、その最盛期は 4月であることが明らかになった。