保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
Print ISSN : 1342-4327
実践報告
千葉県印西市における耕作放棄水田域に造成した小水域のニホンアカガエルRana japonicaによる産卵場所としての利用
柗島 野枝, 猪狩 匠海, 安立 美奈子, 西廣 淳
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2023 年 28 巻 2 号 p. 467-472

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抄録

千葉県印西市のニホンアカガエルの生息地において、産卵状況の調査と新たな産卵場所確保のために小さい水域(池と水田)を造成した。調査地(面積11 ha)は谷津の谷底部にあり、ほとんどが耕作放棄水田であった。2021年と2022年の繁殖期に卵塊数とその位置を記録した。両年とも500個以上の卵塊が確認され、その半数以上が2カ所に集中していた。市民活動によって造成した2つの池には100個以上の卵塊が産みつけられ、一方その近くに造成した水田には産卵されなかった。2022年には産卵数のおよそ1割以上の卵塊が死亡し、その原因として水たまりの乾燥の影響が示唆された。産卵場所の集中と乾燥リスクのある繁殖地において、産卵池となる水域の造成は、ニホンアカガエルの初期死亡率の低下に貢献すると考えられる。

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