2021 年 11 巻 1 号 p. 13-18
本研究の目的は,膝内反軽減シューズが若年健常成人の歩行に及ぼす即時効果を,内反膝(以下,O脚)の有無の影響も含めて検討することである。大学生37名を対象に,膝内反軽減シューズ着用と裸足の2条件で,歩行パラメータを測定し比較した。また対象者の膝間距離を測定し,30mm 以上をO脚あり群,30mm 未満をO脚なし群として2群に振り分け,歩行パラメータを比較した。その結果,膝内反軽減シューズを着用した場合,裸足状態と比較して,ストライド長と歩幅が有意に延長(p<0.01)し,歩行速度が有意に速まった(p<0.01)。また,対象者の歩行パラメータに及ぼすシューズ着用の効果には,O脚の有無は影響しなかった。以上から,膝内反軽減シューズは,対象者のO脚の有無に関わらず,若年健常成人の歩行機能を高める効果が示された。