2023 年 13 巻 1 号 p. 7-11
本研究は,大腿脛骨角(FTA)をマーカーレスモーションキャプチャで測定し,その再現性と妥当性について検討した。対象は,健常若年成人男性18名36脚(平均年齢:20.4±0.6歳)とし,マーカーレスモーションキャプチャと光学式モーションキャプチャでFTA を測定した。再現性はテスト- 再テスト法による級内相関係数で検討し,妥当性はピアソンの相関係数を用いて検討した。分析の結果,マーカーレスモーションキャプチャおよび光学式モーションキャプチャで測定されたFTA は高い再現性を示した(ICC:0.74,0.97)。また,光学式モーションキャプチャとマーカーレスモーションキャプチャで測定されたFTA との間に有意な強い正相関が認められた(r=0.74,p <0.01)。これらのことから,マーカーレスモーションキャプチャで測定したFTA は再現性に優れ前額面上における膝関節の姿勢推定法としての妥当性が示された。