抄録
本研究の目的は,シルバーリハビリ体操指導士養成講習会の受講後の体操教室開催が高齢者の1年後の心身機能に与える影響について明らかにすることとした。対象は,シルバーリハビリ体操指導士(指導士)とし,受講直後から受講1年後まで指導士活動を行わなかった活動なし群と,1回以上の指導士活動を行った活動あり群に分けた。評価項目は,握力,開眼片脚立位保持時間,うつや不安障害に対するスクリーニング調査票(K6日本語版),高齢者向け生きがい感スケールの調査票(K- Ⅰ式),および気分プロフィール評価の調査票(POMS2® 短縮版)とし,指導士養成講習会受講受講直後および受講1年後に評価を実施した。その結果,指導士として活動を行った高齢者は,1年後にも握力を維持できる可能性が推測された。