2018 年 8 巻 2 号 p. 51-56
[目的]本研究の目的は,Osgood-Schlatter disease(OSD)発症後の膝伸展に関与する身体因子の特徴を明らかにすることであった。[対象と方法]高等学校男子サッカー選手でOSD 発症者41名(54膝),非発症者160名(320膝)を対象とし,膝伸展に関与する身体因子5項目を測定した。OSD の発症膝と非発症者の両膝の2群間で,身体因子を比較した。[結果]OSD の発症膝は非発症膝と比較して,大腿直筋筋厚が有意に高値を示し,中間広筋筋厚が有意に低値を示した。また,大腿四頭筋筋力が有意に低値を示し,ハムストリングスの筋伸長性が有意に高値を示した。[結語]OSD 発症後の膝伸展に関与する身体因子の特徴は,大腿直筋筋厚が厚く,中間広筋筋厚は薄いことが示され,大腿四頭筋筋力が低く,ハムストリングスの筋伸長性は高いことが示唆された。