2018 年 8 巻 2 号 p. 47-50
本研究は,僧帽筋の筋硬度が肩甲骨運動におよぼす影響について検討した。対象は,肩疾患を有さない高齢者女性24名とした。筋硬度の測定部位は僧帽筋上部,僧帽筋中部,僧帽筋下部の3点とした。運動課題は肩甲骨面挙上とし,上肢挙上角30°から120°の範囲で肩甲骨上方回旋角,肩甲骨後傾角,および肩甲骨外旋角を抽出した。各測定部位の筋硬度(mean±SD)は,僧帽筋上部:1.0±0.2N,僧帽筋中部:1.2±0.2N,僧帽筋下部:1.5 ±0.1N であった。僧帽筋下部の筋硬度と上肢挙上90°(rs=‐0.41p<0.05),120°(rs=‐0.43p<0.05)における肩甲骨後傾角に有意な負の相関が認められた。その他の筋硬度と肩甲骨運動に有意な相関は認められなかった。これらの結果より,僧帽筋下部の筋硬度が高値なものほど,上肢挙上中期以降の肩甲骨後傾角が小さくなることが示された。