2015 年 23 巻 p. 105-109
石炭火力は今後,機動性の高い運転が求められると考えられるが,そのためには,搬送管内の粉体濃度制御技術の向上が求められる.本研究では,搬送管内における粉体濃度制御技術を開発するための基礎検討として,物体中の構造物の下流に形成される後流渦に着目し,混合層中に構造物を設置した場合に,それにより形成される後流渦が粒子の混合挙動に及ぼす影響について,数値シミュレーションによる評価を行った.その結果,混合層のみの条件では,速度こう配による大規模な渦が発生した領域で急激に運動量の混合と粒子の分散が進む一方,混合層と後流渦が共存する場合には,構造物下流で形成される後流渦により,運動量の交換と粒子の分散がある領域では進むが,ある領域においては濃縮が進むことが明らかとなった.