2015 年 23 巻 p. 164-168
付着性を改善する方法の1つに微小粒子を添加する方法がある.しかし,付着性改善メカニズムは十分に明らかになっていない.本研究では,付着性を反映する圧密充填操作を用い,付着性改善のターゲットとなる主粒子の粒子径が付着性改善効果に及ぼす影響を検討した.主粒子には397,1566 nm,添加粒子には8,21,62,104 nmのシリカ粒子を用いた.所定の割合で混合した試料の圧密充填率を測定し,未添加の場合と比較した.また各混合試料の被覆状態をSEMにより解析した.結果より,添加粒子に対する主粒子の粒子径比が大きいほど,付着性改善効果が生じやすいことが明らかとなった.これはテコの原理を適用した3体連結モデルによって説明できることが示された.また,主粒子径が大きいほど,付着性改善効果が最大となる被覆率が小さくなった.これは主粒子の曲率に基づく主粒子同士の接触確率によって説明できることが示された.