2016 年 24 巻 p. 24-29
本研究では,空気流による加圧噴出法を用いた付着性粉体の噴出実験を行って粉体の流動評価を行った.実験条件として3種類の消石灰を用い,粉体に作用させる空隙流体圧と粉体層の初期空隙率を変化させた.噴出実験結果から,空気流による3種類の消石灰の噴出開始に及ぼす空隙流体圧や初期空隙率の影響を調査し,付着性の影響や流動評価を検討した.その結果,次の成果が得られた.(1)本装置を用いた場合の粉体の噴出状態を噴出可能条件,遷移条件と不可能条件に分類して粉体の流動評価に適用することができた.(2)粉体に作用する付着力と重力の比を用いて3種類の消石灰に働く付着性の影響が明らかとなった.(3)付着力と重力の比の結果から,消石灰C<消石灰B<消石灰Aの順に付着性の影響を受けやすく,この結果から消石灰A<消石灰B<消石灰Cの順に流動性が高いと推測される.