ホソカワ粉体工学振興財団年報
Online ISSN : 2189-4663
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平成26年度 研究助成成果報告
脂質二分子膜より構成される多孔性粒子調製技術の開発
川上 亘作
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2016 年 24 巻 p. 40-44

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抄録

リン脂質は,その生体安全性から医薬品や化粧品の添加剤として広く利用されており,特に閉鎖小胞体であるリポソームは代表的DDS(Drug Delivery System)担体である.しかしながら,非平衡構造体であるリポソームの工業的な製造や品質管理は決して容易とは言えず,またリポソーム製剤が顕著な効果を発揮してきたのは液剤,とくに注射剤に限定されてきた.我々はリン脂質を用い,多孔性固体粒子(Mesoporous Phospholipid Particle, MPP)を調製する技術を開発した.MPPの調製プロセスは極めて簡便であり,工業化は容易と考えられる.MPPは各種固形製剤に適用可能であるが,本稿では難水溶性薬物のための経口製剤キャリアとしての機能を紹介する.MPPは全く新しいタイプのDDSプラットホームキャリアとして,今後の発展が期待される.

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