2020 年 28 巻 p. 64-67
ハイドロゲルに代表されるソフト粒子多体系の力学特性は,粒子集団としての振る舞いに個々の粒子内部の変形の自由度が加わるため,大変複雑になると予想されるが,その詳細についてはほとんどわかっていない.本研究では,数値シミュレーションによるソフト粒子多体系の詳細な現象解明に向け,境界要素法(BEM)に基づく数値シミュレーションモデルの開発を試みた.第一段階として,単一のソフト粒子の変形挙動を対象とし,開発したモデルを用いて圧縮試験を行った.歪み―垂直力の関係について,変形量が小さい領域では概ねハイドロゲル粒子を用いた実験の結果と一致したが,変形量が大きくなると垂直力が実験結果より小さくなることを確認した.