2020 年 28 巻 p. 68-73
太陽光,風力などの再生可能エネルギーによる発電量の増加に伴い,電力需給調整用の電源として火力発電はますます重要となっていることに加え,CO2排出量を低減することも求められている.本研究では,将来石炭火力発電所に水素が燃料として導入されることを想定し,微粉固体燃料と水素を混焼させた際の火炎伝播特性を解明すると共に,数値解析用の高精度なモデル開発のためのデータを取得することを目的とし,水素/微粉炭の混焼実験を行って火炎伝播速度を計測し,水素専焼実験時の火炎伝播速度との比較を行った.その結果,過去に行われられたアンモニア/微粉炭混焼実験結果とは異なり,水素/微粉炭混焼時の火炎伝播速度は,水素/空気予混合気が燃料希薄の条件においても,水素専焼時の火炎伝播速度よりも低くなることが分かった.