ホソカワ粉体工学振興財団年報
Online ISSN : 2189-4663
ISSN-L : 2189-4663
令和2年度 研究助成成果報告
燃焼反応を利用したAg微粒化と高担持量化の両立
藤原 翔
著者情報
研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2022 年 30 巻 p. 78-83

詳細
抄録

Ag担持触媒はエチレン選択酸化反応等で利用されている.その触媒性能向上には,いかにAgを微粒化するかが重要な課題となっているが,Agのタンマン温度が低く,容易に凝集するため微粒化が困難であった.本研究において,燃焼反応場で誘起されたAg/TiO2間の相互作用(Strong Metal-Support Interaction, SMSI)によりAgクラスターを安定化することで,1 nm~2 nmのAgクラスターをTiO2に20 wt%担持可能であることを見出した.SMSI発現に由来するTiOxの生成量はAg量や燃焼条件により変化した.H2パルス滴定により測定したAg表面積は,Ag担持量の増加によって増加したが,Ag量が30 wt%以上の場合に表面積はほぼ一定であった.TiO2に担持されたAgクラスターの安定性は,燃焼合成条件,Ag担持量,酸化チタンの比表面積に依存することが示唆された.今後は開発したAg/TiO2触媒が活性を示す触媒反応を探査する予定である.

Fullsize Image
著者関連情報
This article is licensed under a Creative Commons [Attribution 2.1 JP] license.
https://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/
前の記事 次の記事
feedback
Top