2022 年 30 巻 p. 78-83
Ag担持触媒はエチレン選択酸化反応等で利用されている.その触媒性能向上には,いかにAgを微粒化するかが重要な課題となっているが,Agのタンマン温度が低く,容易に凝集するため微粒化が困難であった.本研究において,燃焼反応場で誘起されたAg/TiO2間の相互作用(Strong Metal-Support Interaction, SMSI)によりAgクラスターを安定化することで,1 nm~2 nmのAgクラスターをTiO2に20 wt%担持可能であることを見出した.SMSI発現に由来するTiOxの生成量はAg量や燃焼条件により変化した.H2パルス滴定により測定したAg表面積は,Ag担持量の増加によって増加したが,Ag量が30 wt%以上の場合に表面積はほぼ一定であった.TiO2に担持されたAgクラスターの安定性は,燃焼合成条件,Ag担持量,酸化チタンの比表面積に依存することが示唆された.今後は開発したAg/TiO2触媒が活性を示す触媒反応を探査する予定である.