2011 年 10 巻 2 号 p. 267-272
ブドウサンショウの利用性,および健康食品としての可能性に関する基礎的情報を得る目的で,抗ウイルス活性をもつ物質を探索した.ブドウサンショウの各部位の抽出液から疎水性クロマトグラフィーで部分精製したプロアントシアニジン(PANs)が,抗SARS-CoV活性を示した.この抗ウイルス活性は,PANsによる細胞内抗酸化因子,Mn-SODの誘導によるものであると考えられた.さらに,ブドウサンショウの果皮に比較的多量に含まれるPANsは,抗SARS-CoV活性のみならず,今後インフルエンザウイルスに対する感染予防対策として,より幅広い健康食品などへ利用される可能性が示唆される.