2023 年 22 巻 1 号 p. 99-107
天秤型食感測定装置によりカキ果実のサクサク感の程度を定量評価した.サクサク感を有する品種として ‘太秋’,‘ねおスイート’,‘麗玉’,サクサク感のない品種として ‘前川次郎’,‘松本早生富有’,‘新秋’,‘甘秋’ の7品種を供試した.横振動のエネルギー食感値とサクサク感の官能評点との間には中周波数帯域を中心に正の有意な相関が認められた.しかし,果肉硬度の影響を受け,サクサク感を評価するには精度がやや低かった.そこで,弾性指標,硬さの官能評点と相関のある縦振動で横振動を除した振動比(横振動/縦振動)について検討したところ,周波数帯域3,200~4,480 Hzおよび4,480~6,400 Hzにおける振動比(横振動/縦振動)で品種ごとのサクサク感の程度を評価できることが明らかになった.また,食品摩擦係数は弾性指標,硬さの官能評点と有意な正の高い相関が認められたため,カキ果実では果肉硬度を評価すると考えられた.このことから,天秤型食感測定装置は1回のプローブ貫入でサクサク感と果肉硬度を同時に測定できることが明らかになった.さらに,食品摩擦係数を横軸,振動比を縦軸にしてカキ品種をプロットすると,果実の肉質特性を分類することができた.