抄録
ウンシュウミカン‘宮川早生’,‘繁田温州’,‘青島温州’において,着果負担を表すものと想定される生産性項目(着花程度,結実数,収穫果数,収量)および果実重,果汁の糖度と次年度の生産性項目(着花程度,結実数,収量)との間の関係について,特に果汁の糖度に着目して解析した.‘宮川早生’では生産性項目の変動が小さく,明確な関係はみられなかった.‘繁田温州’と‘青島温州’では,次年度の 生産性項目に対して,生産性項目は負の相関が,果実重および糖度は正の相関が認められた.重回帰分析により,次年度の生産性は主として着果負担の軽重に左右されるが,補足要因として糖度が有効であり,高い重相関係数が認められた.相関図より,次年度の着花程度は糖度が高くなるほど高く,結実数や収量も糖度12度程度までは増加すること,ただし,‘青島温州’において糖度が12度を超えて高まる樹では次年度の結実数や収量は減少する傾向であることが示された.以上より,‘繁田温州’と‘青島温州’では糖度は次年度の生産性を予測する指標として有効であり,収穫時の糖度12度程度までの高品質化は安定生産と両立することが推察された.