生存圏研究
Online ISSN : 2758-4259
Print ISSN : 1880-649X
人工知能時代の電離圏研究
劉 鵬横山 竜宏
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2025 年 21 巻 p. 34-39

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抄録
地球電離圏は太陽光によって高層大気の一部が電子とイオンに電離した生存圏の一つの領域であり、太陽地球系結合の影響により様々な宇宙天気現象を生じる。これらの電離圏時空間異常変化が生存圏の電磁気環境に影響し、通信信号の途絶や衛星測位の劣化などの要因となるため、近年益々研究者の注目を引いている。しかし、全世界で数十年間の膨大な観測データを統括的に解析し、さらに予測できる自動システムの開発は現在まで十分とは言えない。一方で 2010 年代初頭からの機械学習技術の発展は目覚ましく、幅広い研究分野に適用され人間社会に大きな影響を与えており、まさに人工知能(AI)時代を迎えていると言える。最新の AI 技術を用いて前述の電離圏分野の問題も解決できることが期待される。本総説を通じて、まず電離圏のリモートセンシング手法と機械学習など AI モ デルの特徴の二つの視点から概説し、現状のまとめと将来の展望の両面から機械学習技術に基づいた電離圏変動の検出と予測および既存の電離圏モデルの性能向上への応用について紹介する。
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© 2025 京都大学生存圏研究所
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