抄録
ビッグデータの解析は、統計解析や数理解析などの専門的内容を含み、かつ広範囲で行う必要があるため、非専門家がビッグデータ解析を含むプログラムマネジメントを行う場合、困難に突き当たることが多い。本研究ではその対策法として、「簡単化したビッグデータ解析のフレームワークをスキームモデルで活用すること」を提案し、ヘルスケア系、エネルギー系、環境系などの仮想的な事例によりその有効性を検証する。さらに、技術上もしくはビジネス上のボトルネックが存在するケースでも、本フレームワークの適用により、当該プログラムが前進できる可能性があることを示す。以上の検討結果から、本フレームワークを用いたマネジメントにより、短期的および長期的なアウトカムを計画しやすくなることを示唆する。また、本フレームワークのステージゲート制における活用とROI面での考え方を検討し、P2Mにおける親和性を確認する。