抄録
MCPとは、予算管理やBSCなどのコントロールシステムは、単独で機能せずに経営理念や社内規程など他の経営システムと相まってパッケージとして機能している概念を意味する。管理会計や経営学、欧米のPM、さらには日本のP2Mの研究領域で進むMCPの先行研究では、プログラムを構成するプロジェクトをウォーターフォールとアジャイルに区分していない。この問題意識のもと、本稿ではSimonsのフレームワークに依拠した事例研究を行った。分析の結果、ウォーターフォールでは診断型コントロールと事業倫理境界システム、アジャイルでは双方向型コントロールと信条システムが機能し、これらのシステムを通じてP2Mの価値指標、プラットフォーム、プロファイリングマネジメントが支援される可能性が示唆された。