抄録
P2MのためのMCSに関する研究として、これまでに予算管理やPBSCなどに関する研究が進められきた。また、近年ではP2MのためのMCPが検討されている。MCPとは、予算管理やPBSCなどのコントロールシステムは、単独で機能しているわけではなく、経営理念や社内規程など他の経営システムと相まってパッケージとして機能している概念を意味する。しかし、これまでのP2MのためのMCP研究では、プロジェクト・プログラムをウォーターフォールとアジャイルに区分せずに議論が展開されていると考えられる。この問題意識のもと、本研究では、国内大手保険業A社の情報システム開発部門へのインタビュー調査に基づき、ウォーターフォールおよびアジャイルP2MのためのMCPに関する事例研究を行う。