抄録
筆者は先行研究において、P2Mのスキームモデルにおける商品コンセプトの不確実性に対する組織的創造モデルの全体像を提案している。商品コンセプト創造において「ずらし」と「もたらし」という行為による発想モデルを組み込んだスキームモデルによって、そのアイデアの発想を組織全体で高める仕組みである。本稿はこのモデルにおける発想のエンジンともいえる「ずらし」と「もたらし」の作用によるコンセプトデザインモデルを、アナリシスとシンセシスの関係からより詳細に考察し、そのシナジー効果や生成される概念(コンセプト)との相関を提示する。また事例考察により、その有用性を明らかにし、今後の研究の方向性を提示する。