日本感染管理ネットワーク会誌
Online ISSN : 2759-7822
実践活動報告: 第12回学術集会
新興感染症の発生を想定したシミュレーション実施報告
森田 真介三浦 美穂片山 英希堀田 吏乃酒井 義朗渡邊 浩
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2025 年 21 巻 p. 1-5

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抄録

2022年度の診療報酬改定により,感染対策向上加算1の施設においては,保健所,医師会と連携し,加算2・3の医療機関と合同で新興感染症発生を想定した訓練を実施するという算定要件が加わった.当院は感染対策向上加算1を取得しており,新興感染症発生時の受入れ体制強化のため,保健所・医師会・感染対策向上加算連携施設と合同で受入れシミュレーションを実施している.2022年度の軽症患者受入れシミュレーション実施に引き続き,今回は重症患者を想定し,当院の高度救命救急センターと連携して実施を行った.参加者は当院から感染対策チームメンバー・看護部・事務部の計20名,保健所から2名,医師会から1名,感染対策向上加算2・3医療機関の5施設より10名の計33名であった.実施後の意見交換では,患者の不安や倫理的配慮,受入れ調整等の必要性を議論した.今回,電動ファン付き呼吸用保護具の着用により,周辺の音が聞き取りにくくなり,それによって生じるコミュニケーションの難しさ,患者の不安対応・倫理的配慮など,机上シミュレーションでは把握できなかった問題が明確になった.受入れ時の問題点を把握し,行政や病院内の部署と平時から連携をしておくことで,有事の際の対応がスムーズになると考えられる.今後も新興感染症発生時のシミュレーションを継続し,行政と医療機関が協働しながら迅速な対応ができるようなシステムの構築が必要である.

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