抄録
本研究では、小学校の学級担任を対象にダイバーシティ教育に関する取り組みと意識について明らかにすることを目的とした。調査は、1)担任している学級の実態、2)児童の多様性に配慮した教育や多様性を認め互いに尊重し合う態度や行動を児童に醸成する教育の実施状況、3)ダイバーシティ教育に関する学級担任の意識について行い、検討した。その結果、学級を構成する児童の実状が、配慮のあり方や醸成する内容をある程度規定しているということが示された。また、学級担任の意識として、今後の多様性教育の推進に関してやや消極的な側面を持ちながらも、児童の多様性に配慮した教育を行うことや多様性を認め互いに尊重し合う態度や行動を児童に醸成する教育を行うことについては、肯定的な考え方を持っていることが明らかになった。