Journal of Inclusive Education
Online ISSN : 2189-9185
ISSN-L : 2189-9185
原著論文
日本における聴覚障害児・者の教育の現状と課題
―新学習指導要領における自立活動とインクルーシブ教育の観点から―
船越 裕輝 照屋 晴奈下條 満代鳩間 千華
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 8 巻 p. 30-39

詳細
抄録

本研究は,学校教育法の改正により,盲・聾・養護学校を特別支援学校へ移行した,2007年から2019年までに発表された研究論文を対象に聴覚障害教育の現状と課題を明らかにする。その観点として,聴覚障害教育におけるインクルーシブ教育推進の課題を観点に明らかにしたい。更に,新学習指導要領における聴覚障害教育の自立活動の現状と課題も明らかにすることを目的とした。その結果,多くの研究で「教師の専門性の課題」が指摘されていた。また,新学習指導要領が目指す「主体的・対話的な深い学び」を推進するためには,聴覚障害教育において自立活動は重要な領域となるが,そこでも教師の専門性の課題があることが分かった。今後,聴覚障害教育現場において,IEATなどの尺度を用いてインクルーシブ推進の現状を客観的に評価しながら,目の前にある課題や成果を明確に評価することが解決の1つに繋がるのではないかと考える。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人アジアヒューマンサービス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top