抄録
日本は急速に高齢化が進んでおり、中・高齢期において視覚障がいを受障する者も増加傾向にある。しかし、看護職が障がいについて学ぶ機会は少なく、今後増加が予想される中・高齢の中途視覚障がい者に対するケア実践が課題となる。中途視覚障がい者は、受障による心理面の落胆や、周囲からの差別的な扱いに接する。また、日常生活に最も重要とも言われる視覚の感覚器に課題を抱えることで、外出機会が減少するなど、閉鎖的な生活による二次障がいの発生も懸念される。そこで本論文では、中・高齢期において中途の視覚障がいを受障した患者における諸課題と、それに対するケアについて先行研究を検討し、中途視覚障がい者に対する看護実践のケアを教育するにあたり、必要な視座を論じた。