抄録
米国のPLT Project Learning Treeは、全米で毎年3万人もの指導者育成を行っている民間環境教育団体である。今年30周年を迎える同団体は、環境教育の推進を、アクティビティ・ガイドと連動した指導者育成、そして学校現場での実践からのフィードバックを有機的につなぐことによって、よりよいガイド、よりよい研修、よりよい教育実践の実効を高める「プロジェクト」方式を採用した最初の団体である。1993年にPLTはまったく新しいバージョンのガイドを作成した。その制作にインターネットが果たした役割が大きい。また、その後の毎年の改訂にも情報テクノロジーは欠かせない。さらに、2006年版は2回目の大改訂とも言えるものである。その改訂のプロセスと、全米的な「よりよい環境教育の質」のためのガイドライン合意形成に果たした情報テクノロジーの実際を分析し、これからの翻訳テキストのよりよい質のために情報テクノロジーをどのように活用すればいいかを検討する。