情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
第9回情報プロフェッショナルシンポジウム
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C21
動画の振り返りによるプレゼン技術向上の提案
*田中 雅章神田 あづさ大森 晃
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p. 109-114

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抄録

プレゼンテーション技術を身に着けるには,さまざまな手法が提案されている。そのひとつに 1960 年代に考案されたマイクロティーチングがある。教育の現場で実践されているものとして PDCA 学習サイクルがある。これは教授法の品質を向上させる方法として経営工学のマネジメント手法を教育に取り入れた教育法である。さらに受講者のプレゼン内容を評価する方法として相互評価法がある。筆者らは,これらの方法を組み合わせてプレゼン技術の向上を実践してきた。しかし,学習者の現状を指摘するだけでは不十分であると思っていた。つまり学習者が自らの問題点を気づかせる,気づきを得られるようにした方がより効果的ではないかと考えたのである。そこで,教育実習経験者のプレゼン映像を模範として,学習者のプレゼン映像とを比較させることを試みた。その結果,他人から問題点を指摘されるよりも,自ら気づいた内容はより詳細に理解できたと思われた。この相互評価において旧来の紙媒体による方法ではなく,パソコンやスマートフォンから入力できる Web による評価システムを実装した。Web による評価入力は評価作業や一連の処理を大幅に改善することができた。まず,評価得点の入力が得点の選択だけですむようになり,評価時間の短縮と作業負荷が軽減された。評価処理においては発表後 3 分程度で評価データ入力が完了されるため,さらに 3 分程度で集計が完了する。発表者の記憶が鮮明なうちに処理された評価結果をフィードバックできるため,より充実したリフレクション活動が実現できた。

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© 2012 独立行政法人 科学技術振興機構
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