医療
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糖尿病治療におけるAcarbose(BAYg5421)の使用経験
若杉 英之
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1993 年 47 巻 1 号 p. 48-54

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抄録
Acarbose(α-glucosidase inhibitor)をインスリン非依存型糖尿病17症例(うちsulfonylurea剤投与7例)に試用し, 各種糖質負荷試験成績・血糖・尿糖・HbA1値・体重・血清脂質に及ぼす効果ならびに副作用につき検討した. 本剤の直前投与により, マルトース負荷時の血糖上昇抑制は有意でなかったが, スクロース, デンプン, 坂口食負荷時の血糖上昇は明らかに抑制され, 血中IRI反応も低下した. また, 食後の血糖上昇は抑制され, 血糖日内曲線は平坦となり, 食後の尿糖排泄も著減した. 本剤の投与量が増加するとき, その効果も著明となった. 連日投与により, 空腹時および食後血糖値, 尿糖量は有意に低下したが, 体重・血清コレステロール・血清トリグリセライドに有意な変化は認められなかった. 7例に腹部症状(放屁の増加, 腹部膨満感)が出現したが, 投薬を中止したのは2例(11.8%)であった.
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© 一般社団法人国立医療学会
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