日本画像学会誌
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Advanced Technology
セルロースナノファイバーとその利用
矢野 浩之
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2016 年 55 巻 3 号 p. 356-360

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抄録

セルロースナノファイバーは,植物細胞の主要骨格物質として,毎日,太陽の光により,水と二酸化炭素から持続的に生産される幅4-20nmのナノ繊維である.セルロース分子鎖が伸び切り鎖となって結晶化しているため,鋼鉄の1/5の軽さで,その5倍以上の強度を有する.また,線熱膨張係数がガラスの1/50以下 (0.1ppm/K) と極めて小さい.次世代の大型産業資材あるいはグリーンナノ材料としてセルロースナノファイバーの製造と利用に関する研究が,今,世界中で活発化している.本稿では,木材など植物バイオマス資源からのセルロースナノファイバーの製造とその自動車部材や電子デバイス部材への応用,およびセルロースナノファイバーに関する日本の状況について紹介する.

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© 2016 一般社団法人 日本画像学会
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