2017 年 56 巻 1 号 p. 36-41
プリンタに求められる特性として,高速性,高画質といった基本的な性能に加えて,近年は省電力,リサイクルの推進,排気ガスの低減といった環境への配慮などが注目されており,各社様々な技術開発が進められている.省電力化を目的としたトナー粒子の開発においては,特性制御のためにトナー内部における含有成分の分布状態や物性値を把握することは重要である.しかしながら,トナー粒子は5~10μm程度と微小で,かつ柔らかく,これらの分析は難易度が高いことが多い.
本稿では,トナーについて複数の手法を用いて,含有成分の分布状態の観察,微小部の物性評価や組成情報の解析などについて分析した例を紹介する.