帯電プロセスは感光体表面に電荷を付与する電子写真の最上流プロセスである.感光体の帯電電位は,次のプロセスである静電潜像形成やトナー現像の基準となるため,表面全体を均一に帯電することが重要である.しかし,帯電プロセスにおいて放電現象を制御して帯電分布を均一にするメカニズムは明確になっておらず,帯電不均一に起因する白点や色線などの画質不良の発生が課題となっている.近年は高速·高画質領域の複写機やプリンタにおいても小型化,低コスト化の要求が高くなっており,安価な帯電ローラ方式における放電メカニズムを解明し,均一な帯電を実現することが急務となっている.
本稿では,帯電プロセスで発生する放電形態を明らかにする放電解析技術について紹介する.さらにこの技術を用いて,ニップ領域の放電分布を計測した結果と,帯電不均一性による画質欠陥の発生条件や帯電分布ムラ形成過程を考察した事例について述べる.
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