2020 年 59 巻 1 号 p. 149-154
近年の急速な工業化による地球温暖化問題や経済成長などを背景としたエネルギー消費の急増により,限りある資源を有効に活用していくことが今後の大きな課題となっている.
富士ゼロックスでは,省エネ性能に優れたEA-Eco (EA : Emulsion Aggregate) トナーを開発し,富士ゼロックス機器の省エネルギー化に貢献してきたが,今回,EA-Ecoトナーの低温定着性をさらに進化させたSuper EA-Ecoトナーを開発し,富士ゼロックスのプリンター,複合機,プロダクションプリンターに採用した.
Super EA-Ecoトナーは,新開発のシャープメルトポリエステルを用い,富士ゼロックス独自の乳化凝集法により前記シャープメルトポリエステルをトナー中に最適配置することで,理想の粘弾性特性を獲得し,EA-Ecoトナーを超える低温定着性を達成している.また,Super EA-Ecoトナーは優れた低温定着性能に加え,粒径が業界最小であるという特徴も有することから,省エネルギーのみでなく,高画質,高生産性,高付加価値化にも貢献している.通常,低温定着設計や小粒径化設計とすることで流動性が悪化するが,Super EA-Ecoトナーではトナーの粘弾性設計に加えて,トナーの周囲に存在する機能性微粒子の種類,大きさのバランスを見直すことで,低温定着化や小粒径化に伴う流動性悪化の課題を解決している.
本稿では新開発のSuper EA-Ecoトナーについて詳細に解説する.