2023 年 62 巻 4 号 p. 334-342
近年,二酸化炭素排出量削減やサーキュラーエコノミー実現のためプラスチックのリサイクルが注目されている.日本における産業別の取り組みとしては,PET (polyethylene terephthalate) ボトル,容器包装,家電がリサイクルされている.事務機器業界では市中から回収した廃プラスチックを用いて,より高機能なプラスチックにマテリアルリサイクルし,複写機の外装に用いている.外装に利用するためには,機械的特性に加え難燃性や流動性の改善が必要である.そのため,高い耐衝撃性と難燃性を持つPC (polycarbonate) に流動性の高いPETをブレンドした.両者をブレンドしただけでは,所望の性能は得られないため,SAN-GMA (styrene-acrylonitrile-glycidyl methacrylate copolymer) により相溶状態,PETG (glycol-modified polyethylene terephthalate) により結晶状態を制御し,リン系難燃剤による難燃性の制御を行なった.高機能なプラスチックにリサイクルすることで適用範囲を拡大することができ,より大きな環境貢献につなげることができた.