国際生命情報科学会誌
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ミニ・シンポジウム 「森になる」における超越的な与える喜びの実践
「森になる」実践における愛他行動促進と自己超越への気づき
(「森になる」における超越的な与える喜びの実践,ミニ・シンポジウム,第33回生命情報科学シンポジウム)
尾崎 真奈美
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2012 年 30 巻 1 号 p. 116-

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抄録
本シンポジウムの目的は、「森になる」運動、つまり匿名的な樹木葬を推進する運動が、どのように自己超越的な気づきに貢献するか提示することである。すなわち1。背景と現状、問題提起(河野)2。非人称の観点からの意義(甲田)3。感謝と愛他行動の社会心理学(小野寺)をふまえて、4。生死を超越したスピリチュアリティの発現としての意義をポジティブ心理学の文脈から記述する(尾崎)。演者は第一に、この運動が単に環境学的、死生学的に意味のあることにとどまらず、個人のポジティブ感情や人生満足度を増進させ、意味ある人生として究極の幸福感(ユーダイモニア)に寄与することを示す。第二に、この実践を通じて、個人を超越した感謝のお返し行動の連鎖が、普遍的な愛他性を促進する可能性をポジティブ感情の拡張形成理論から説明する。
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© 2012 国際生命情報科学会
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