労働科学
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原著
止血弁つき静脈留置針利用による末梢静脈カテーテル留置手技における心理的負担軽減効果
吉川 徹北島 洋樹橋爪 絢子藤森 洋子池崎 陽子松田 晋哉
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89 巻 (2013) 3 号 p. 77-88

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抄録

本研究は新規開発された「止血弁つき安全装置つき静脈留置針(以下,留置針A)」の末梢静脈カテーテル留置手技における心理的負担軽減効果について,①留置針Aを利用している医療従事者536名への質問紙調査,②従来針と留置針Aの作業分析による比較により明らかにした。その結果,73.0%の使用者が留置針Aの使用は患者のケアと安全にとって効果的であり,82.3%が医療従事者の安全にとって効果的だと回答した。止血弁があることで従来針より末梢静脈ルート確保手技がしやすくなっていることが明らかとなった。作業分析から,留置針Aは従来針より非利き手の「押さえる」行為の平均動作時間が7秒短縮され,非利き手の「離す」,「持つ」の動作は2秒増加していた。止血弁により,非利き手の自由度を確保したことが,作業の余裕を生み,血液曝露による不安を軽減したものと考えられた。一方,止血弁の存在をうっかり忘れてしまうことによる止血弁解除後の血液漏れなどの事例も報告されており,従来針に新たな性能が付加された器材の導入には別の血液曝露リスクももたらされることも確認された。(図2,表5)

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© 2013 公益財団法人 労働科学研究所
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