体操競技は技の難度や完成度のスコアを競い合う採点競技である.近年,選手の演技技術向上に伴い,これまでの審判の目視による判定では採点の公平性・正確性の担保が課題となりつつある.そこで,三次元センシングと技認識を組み合わせた体操採点支援システムを開発することで,その課題解決を目指した.三次元センシングは,LiDARセンサにより選手を三次元データ化する三次元レーザセンサ技術と,深層学習手法と人型モデルを用いたフィッティング手法による骨格認識の複合技術である.技認識は,選手の骨格の時系列情報からルールベースと深層学習を用いて技の認識を行う技術である.それらの結果は審判に提示され採点に活用される.本システムは国際体操連盟と連携して研究開発を行うことにより国際大会でのデータ取得・実証実験を可能とし,2019年8月にはその有効性を認められ国際体操連盟での正式採用が決定された.