2026 年 80 巻 1 号 p. 89-93
テレビ東京は,これまでバーチャルプロダクション(VP)を活用したさまざまな演出に挑戦してきた.本稿では,その経験を踏まえ,VP制作における三つの新たな取り組みとその成果を報告する.具体的には,次世代の大容量/低遅延伝送回線を活用したリモートプロダクションによるVP制作(リモートVP)により,基幹機材を本社に置いたまま効率的なVP制作を実現した.また,リアルセットとグリーンバックを併用するハイブリッド手法(ハイブリッドVP)を採用し両者の利点を組み合わせることで,完全リアルセットでは表現できない壮大な空間表現をVPで実現し,美術・制作のクリエイティブを最大化することに成功した.さらに,スタジオ隣接の運河での歌唱演出において,ワイヤレスVPを駆使した壮大なCGドローンショーを実施した.船上からカメラトラッキングデータを重畳した映像を無線伝送し,場所に囚われないダイナミックな空間演出を実現した.