抄録
本研究は膀胱内圧を測定するバイオテレメトリーデバイスの開発を目標としている。本論文では特に発振器に着目して検討を行った。デバイスの特徴は小型カプセルに内包することである。そのため、占有面積の削減のみではなく、消費電力の低減が求められる。低消費電力を実現するためにはディジタルマイコンの動作周波数を可能な限り下げることが非常に重要である。そこで本論文では低周波低消費電力リングオシレータの設計を行った。また、通信のために体内外の同期を取る方法としてパルスインジェクションロックによる同期システムを採用し、シミュレーションを通してその有用性を検証した。その結果±10%程度の電源電圧変動に起因する周波数変動をロックしない場合に比べ4000倍以上抑圧できることを確認した。