抄録
シバ(Zoysia japonica Steu.)はアジア大陸東沿岸部に自生しており、海岸から標高1000m以上の高地まで、様々な気象条件や土壌条件に適応し、その為に外形や生理的形質に大きな多様性が見られ、これれらの遺伝学的特性を背景に多様な品種の作出が行われている。シバは動物の採食と火入れによって牧と呼ばれる牧草地として維持されてきた。その牧草地は人々の憩いの場としても広く用いられ、また切り取られて修景材料として庭つくりにも取り入れられるようになり、需要の増大と共に各地で栽培されるようになった。現在では河川・道路などの公共土木工事などのほか、競馬場・ゴルフ場・野球場などのスポーツターフとして、また公園・多目的広場・屋上緑化・校庭などに広く用いられるようになっている。利用の拡大に伴って、土壌や気象、利用条件などが厳しい場所でも利用可能な、様々な要求に適合した新品種の開発が期待されている。