日本救急医学会関東地方会雑誌
Online ISSN : 2434-2580
Print ISSN : 0287-301X
症例報告
標準的治療後に再燃し重症化した成人マイコプラズマ肺炎の1例
三崎 萌子弦切 純也長田 雄大佐野 秀史山中 浩史奥村 栄太郎坪内 信彦沼田 儒志新井 隆男
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2019 年 39 巻 3 号 p. 394-397

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抄録

【はじめに】標準的な治療を行い, いったんは改善したが, すぐに再燃し重症化したマイコプラズマ (mycoplasma pneumonia ; MP) 肺炎の一例を経験したため報告する。【症例】75歳男性。特記すべき既往歴なし。重症MP肺炎の診断で入院となり, AZM 500mg/日×4日間を含む抗菌薬治療で呼吸状態が改善したため16日目に自宅退院した。しかし退院後すぐに呼吸困難を発症し, 退院4日目に再入院となった。気管挿管・人工呼吸管理およびMINO 200mg/日×22日間を含む抗菌薬治療等で治癒し入院69日目にリハビリテーション転院となった。【考察】本症例の再燃原因について, 病原菌がマクロライド耐性であった可能性, 抗菌薬の投与期間が短かった可能性, ステロイドの投与が有効であった可能性が考えられた。【おわりに】重症MP肺炎の治療は, 再発予防の観点からも, 症例ごとに臨機応変な対応を行う必要があると思われた。

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