生命倫理
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妊娠葛藤の質的構造 : 妊娠から出産に至るまでの女性たちの悩みの声
田口 朝子
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2012 年 22 巻 1 号 p. 14-25

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抄録
本研究の目的は、妊娠葛藤を抱える女性への支援について明らかにすることにある。そこで、私たちはNPOの支援によって出産した8人の妊(産)婦に半構造化面接を行った。データは質的分析によって分析した。その結果、妊娠葛藤の構造は、大きくは「社会的孤立」と「生命観の変化」の2つのカテゴリーに分類され、カテゴリー内はさらにそれぞれ4つの項目に分けられた。「社会的孤立」は「自分の問題」「相手の問題」「人間関係」「暮らし」に分類され、「生命観の変化」は「新しい生命に対する感情」「生命への実感」「中絶に対する認識」「生命の尊重」に分類できた。本調査の結果は、わが国でも今後は、妊娠に悩む女性のサポートとしての「妊娠葛藤相談」のあり方を明らかにしていくことの重要性を示すものとなった。
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2012 日本生命倫理学会
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