抄録
精密位置決めや精密計測分野では,空圧式除振装置が広く使用されている。同装置は空気ばねを備えており,圧力特性に特徴的な反共振・共振を持つ。この問題により,複数台の空気ばね支持脚を使用すると,支持脚間での圧力差が原因で除振台の変形が生じることが知られている。そのため,圧力センサを使用した圧力フィードバックを投入することで空気ばねの駆動力を管理し,かつ反共振・共振特性を強制的に抑制する手法がある。しかし,圧力センサを取り付けることはコストが高くなることや,厳しい駆動力の管理要望に対してセンサの分解能が低いといった問題点から産業応用の場面では好ましくない。そこで,本論文では圧力センサを使用せずに,空気ばね内の圧力を最小次元オブザーバによって推定する。その際,修正ゲインは一般的に極配置法により求めるが,パラメータに依存する。そのため,制御対象に実装する際には,調整を要する。そこで,本発表では修正ゲインの役割を明確にし,実測の周波数応答をモニタしながら調整できるオブザーバを提案する。