主催: 日本機械学会, 計測自動制御学会, システム制御情報学会, 化学工学会, 精密工学会, 日本航空宇宙学会
共催: 50の学会,協会などから協賛
本論文では,非線形な状態方程式・観測方程式に従うシステムに関して,新しいパラメータ推定手法を提案する.提案するのは,状態変数と未知パラメータを推定するためのUnscented Rauch-Tung-Striebel Smoother (URTSS)と,初期状態・雑音に関する統計量(平均・共分散)を推定するためのEMアルゴリズムを組み合わせた手法である.本手法では,EMアルゴリズムにおける期待値を計算するのに,URTSSにおける推定結果に基づいたUnscented変換を用いることで,少数のサンプル点で精度の良い近似を行うことができる.また,EMアルゴリズムの最大化ステップにおいては,解析的に最適解を求めることができるため,従来手法のように非凸最適化のための数値計算を行わなくて済むという利点もある.本手法の有効性は,数値例を通して示す.