抄録
クリティカルケア領域では,初診時エイズ発症患者を対応する機会が多い.看護師がエイズ看護に関してどのような感情を抱いているのか,その感情に関連する要因は何かを明らかにすることを目的として本研究を実施した.
東京都とその近隣県のエイズ拠点病院(11施設)のクリティカルケア領域の看護師(413名)に「エイズ看護に対する感情」と4つの要因「疾患の知識」「支援法の知識」「性の捉え方」「職場環境」の39項目で構成した無記名自記式質問紙を用いた調査を行った.回答の割合を算出し,相関関係をSpearmanの順位相関係数を用いて分析した.
抱きやすい感情には,「エイズ患者に対して血液や体液を取り扱う処置を行う際はいつもより厳重に感染予防策をとりたい」等の4項目があった.
[エイズ看護に対する感情]と[疾患の知識][支援法の知識]は負の相関関係にあり,曖昧な知識であるために,患者との信頼関係の始まりを躊躇し,患者から距離を置いてしまう可能性が考えられた.[性の捉え方]とは正の相関関係にあり,看護師は自分自身の感情や性の捉え方を自覚し,患者と関わる事が重要だと言える.