2019 年 39 巻 1-2 号 p. 45-52
本症例(患者;60 歳,女性)は下顎残存歯の保存が不可能なため上下全部床義歯となる症例であったが,患者の食品嗜好性や強い希望により,より高い咀嚼能率を発揮できる治療方法を望んだ.そのため,今回は患者と相談した結果,下顎に4本のインプラントを埋入し磁性アタッチメント用いたオーバーデンチャーを装着することにした.その後,今回の治療の評価を行うために,術前全部床義歯とアタッチメント未装着の最終義歯,アタッチメント装着後の最終義歯のそれぞれの咀嚼機能の回復程度を比較した.アタッチメント装着後のオーバーデンチャーが最も良好な咀嚼能力の回復が得られた.【顎咬合誌 39(1・2):45-52,2019】