日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
デジタルスマイルデザインを応用し 前歯部審美修復を行った1 症例
杉山 雄一郎松本 篤樹溝部 健一鈴木 玲爾
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2023 年 43 巻 1 号 p. 30-

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抄録

【目的】上顎前歯部に審美障害を認める患者に対しデジタルスマイルデザイン(以下DSD)に基づく審美修復を行った.まず,顔面のデジタル情報を元にインサイザルエッジポジションを決定し,顔貌と口唇との調和に対して予後不良歯および既存のインプラント体の埋入方向を考慮し,最終上部構造の設計を行った.【方法】患者は前歯がとれたことを主訴に来院された47 歳,女性.1 の挺出,2 は残根状態により上顎前歯部,歯肉辺縁形態の不揃いによりスマイル時に審美障害が認められた.1 部には22 年前に埋入されたインプラントを認めた.コーンビームCT(以下CBCT)により2 1 の根尖部に透過像を認め予後不良と判断し,1 はインプラントの抜歯即時埋入,即時埋入プロビジョナライゼーション,2 は抜歯を計画し,上顎6 前歯の歯冠修復治療を行うこととした.【結果】DSD を応用して診査・診断を行ったことで顔貌と口唇に調和した上顎前歯部審美修復を行うことができた.【考察および結論】 DSD を応用することで顔貌と口唇に調和した最終補綴装置の形態を考慮したインプラントの3 次元的埋入ポジショ ンの決定ができた.また患者にも視覚的に修復後のイメージを示すことで,治療に対する理解度及び満足度が向上したと考える.【顎咬合誌 43(1):30-39,2023

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