日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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予知性のある根管治療をめざして
倉富 覚
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キーワード: 診断, X線写真, 根管形態
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2007 年 27 巻 3 号 p. 274-279

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抄録

根管治療は, われわれが行う日常臨床の中でもっとも頻度が高い処置であるといっても過言ではないであろう.とくに中高年の治療においては根管治療を避けては通れないことが多い.もし根管治療に不備があれば, その上部にどんなにすばらしい補綴物が装着されようとも, それは砂上の楼閣となってしまう.全顎的な歯科治療においては, 1本の根管治療のエラーが治療計画全体に影響を及ぼすことさえある.自分が施した根管処置が原因で再治療が必要になる事態だけは避けたいと思いながら, 根管治療に取り組んできた.根管という目視できない部分の清掃を行うわけで, 自分の技量で完全な清掃が行えているのか, その確実性には正直疑問が残るところである.しかし, 正確な診断力と手技を身に付け, 根管治療を施した歯牙の予後を客観的に評価することで, その成功率を1%でも上げることができると考えている.
本論文では, 根管治療の確実性を上げるための取り組みを提示させていただく.

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